肘・手首の痛み

症例

野球肘

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野球肘は名前のごとく、野球による投球動作に多く発生し、肘の内側に投球時痛みを生じるスポーツに多い障害です。徐々に発症する場合が多く、慢性化しやすいため肘の疼痛が出現したら注意を要します。

それ以外には重い荷物を持つ動作、手首や指先を多く使う職業にもみられます。
内側の痛みは、回内屈曲筋によって牽引力が加わり、回内筋群や内側側副靱帯、尺骨神経がストレッチされ、微細損傷が発生します。重症例では上腕骨内側上顆〈じょうか〉骨が牽引力によって剥離骨折を起こします。

症状

肘の内側から痛み始め外側に至ります。
軟骨に傷が付くと肘が伸ばせなくなります。(伸展障害)
進行すると軟骨が剥がれて、
関節の中をゴロゴロと動きまわる様になります。(離断性骨軟骨炎)

腱鞘炎

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指は腱によって曲げ伸ばしをすることができます。手を握ったりする強い力を発揮する筋肉は前腕にありその力を腱が伝えます。その通り道で指を曲げる腱が浮き上がらないように押さえているのが靱帯性腱鞘(じんたいせいけんしょう)と呼ばれるものです。その構造はベルトとベルト通しの関係に似ています。
その部分の腱や腱鞘が炎症を起こすと“腱鞘炎”になります

1, ドケルバン病(de Quervain)

手首の親指側にある腱鞘とそこを通過する腱に炎症が起こった状態で、腱鞘の部分で腱の動きがスムーズでなくなり、手首の親指側が痛み、腫れる症状の事を言います。

母指を広げたり、動かしたりするとこの場所に強い疼痛が走ります。妊娠出産期の女性に多く生じ、それ以外にも手の使いすぎやスポーツや指を良く使う仕事の人にも多いのが特徴です。母指の使いすぎによる負荷のため、腱鞘が肥厚したり、腱の表面が傷んだりして、さらにそれが刺激し、悪循環が生じると痛みが増し、最終的には全く動かせなくなり、日常生活に支障が出る厄介な疾患の一つです。

2, バネ指(弾発指)

指の付け根で腱と腱鞘の間で炎症が起こると、“腱鞘炎”になり、さらに指を使い続けると摩擦で炎症が進み、腱鞘が肥厚したり、腱が肥大し、通過障害を引き起こします。その肥大した腱は腱鞘を通過する時、入り口で詰まってばねを上から押さえているかのような状態になっています。
そして、一旦、腱鞘をくぐると、このストレスから弾みをつけて開放され、ばねがはじけるような状態になります。
これを「ばね現象」といいます。ばね現象が生じて“ばね指”となり、さらに悪化すると指が動かない状態になります。朝方に症状が強く、日中は使っていると症状が軽減することも少なくありません。

指の付け根辺り(手のひら側)の痛み・触るとシコリがある・指を曲げ伸ばしすると 引っかかりを感じる・自力では指を伸ばしきれないこともあります。 ☆成人では中指・薬指の発症が多いといわれています。